話は前後しますが、建物のプランニングをしているとき、あまり「つま」は手伝ってくれませんでした。

間取りや外壁や内装、インテリア、電灯など世の奥様方が好んで決める部分にも関わらず、「つま」はあまり積極的に関わってくれませんでした。 

私にとっては「つま」のためのマイホーム、「つま」のために色々資金計算とかしていて多少なりとも苦労しているのに、あまり喜んでくれているようには見えません。 

良い土地が見つかりかけたそのときも喜んでくれてはいるものの、やはり積極的に関わってはくれませんでした。

このときの私は申し訳ないことに、「つま」の暗さの理由が分かりませんでした。

プランニングに関わってくれないことに苛立ち、今思えばかなりの回数のけんかをしました。

しかし、そんな喧嘩を繰り返すうちに鈍い私もだんだん分かってきます。
つまはやはり憂鬱だったのです。 
私と結婚しても私の両親とはやはり他人・・・
生活ペースも価値観も私から見て、まるで違います。
「つま」がどんなに私の両親を好きでいてくれても、一緒に暮らすとなると「つま」の心の中では様々な心配事が浮かぶのでしょう・・・

想像の中の人物像というのは天使になったり悪魔になったります。
そういう葛藤の中で「つま」が揺れているあたりで二世帯のプランが確定して、
前に述べた絶好の土地が見つかり、先方の返事を待っているという状態でした。

つま 「リビングからすぐ庭に出られないて・・・」    
だんな 「え?・・・・ じゃあ、うちらを1Fにする?」
つま 「1Fじゃ、プライバシーがないもの・・・いいよ、このままで・・・」

だんな 「・・・・・・・・・・・・」

もう止まりませんでした・・・
この後、「つま」の苦悩が堰を切ったように出てきます。
私しは「つま」の気持ちを分かってあげられなかった悔恨の思いで胸がいっぱいになります。

「つま」は「だんな」の両親の幸せのために自分の気持ちを抑えていて、「だんな」は「つま」の幸せを願い家を建てているのに
「つま」の言葉に甘え、本当の「つま」の幸せを壊すところでした。

お金のことを考えたら二世帯がいい。
でも、「つま」の幸せを考えてマイホームを建てようとしているわけだし・・・・

答えは決まっているでも答えが出せない・・・
そんなとき、土地を売ってくれる先方から断りの連絡が来たと不動産屋からメールが来ました。
今を思えば、神様が私が間違って走っていたのを止めてくれたのかもしれません。

このときは待ち望んだ土地が手に入らず、心底落ち込んだのですが今では本当に良かったと思っています。